めでたく1部復帰の東芝、その軌跡① 成立と西室泰三氏

数字をつくる技術の東芝 粉飾決算の技術を凝らした「チャレンジ」こと東芝が約3年半ぶりに東証1部へ復帰することが2021年1月22日引け後に決定しました。1月29日付になります。 思い返せば東証2部に降格したのは2017年の8月、直接の事由は債務超過転落でした…

高級フレンチのひらまつ、内紛の末に上場廃止へリーチ

創業者兼筆頭株主との利益相反 ひらまつ (2764、東1 )は明日2021年1月12日の17:15までに四半期報告を提出しないと上場廃止が確定してしまいます。年明け1週間での訃報とか縁起でもないですが、どうしてこうなったのか経緯を見てみましょう。 東証からは年末…

レオパレス債務超過転落、先送りビジネスの終焉

経営危機に瀕しているレオパレス21 (8848、東1)が、2020年6月締めで債務超過に転落したようです。 そうだろうとは分かっていましたが、この流れは当たり前すぎて忘れてました。先週末の9月25日夕方に共同通信などで報道されていましたが、週明けの今日9月28…

やさしく解説 株式投資のメリット⑥ エムスリーの事例

投資は複利を長期で 以前投資と投機は違うと述べましたが、投資のキモは複利のメリットです。複利とは利益が利益を生むという概念で、株式というか事業そのものには必須のものです。給与所得者にはなかなかピンと来ないものですが、自営業者は稼いだお金を基…

手元資金のほとんど全部行方不明中のNutsが破産申請

Nuts ( 7612、JQS )が2020年9月16日の21:30というしょうもない時間に倒産の開示を発表しました。 こんな時間じゃホタルの光もかけられませんがな。仕事熱心とは思えない東証さんにも迷惑かけちゃダメですよー。17:00には裁判所から破産手続開始決定もらって…

大戸屋の凋落に見える社会構造の変化と日本企業の生きる道

買収されるまでの大戸屋は何がいけなかったのか? 2020年9月8日に敵対的TOBが成立し、大戸屋はコロワイドの軍門に降ることがほぼ確実になりました。 いまさらな話で、なおかつ部外者の勝手な後出し意見にはなりますが、大戸屋はなぜこんな事になってしまった…

コロワイドに敵対的TOBをかけられてる大戸屋の勝算は?

2020年7月9日に居酒屋系外食チェーン運営のコロワイド(7616、東1)が、定食屋チェーン運営の大戸屋HD(2705、JQS)へ公開買付を発表しています。これまでの経緯からすでに敵対的TOBとなりました。7月17日(金)時点で大戸屋側は反対の意向を表明しています。 …

やさしく解説 株式投資のメリット⑤ 高配当より高ROE

前回は日米の違いを基にして株主資本利益率(ROE)という視点から株式投資のメリットをお話ししてみました。 今回は逆にお勧めしない株式を挙げた上で投資すべき株式の考え方に言及してみます。 高配当銘柄=優良株ではない 古くから流布されているデマの一…

小島鉄工所へのTOBと上場廃止見込み 株価はオーバーラン

この前東証2部から名証2部へ都落ちした先でも時価総額基準に抵触し上場廃止の猶予期間に入っていた小島鉄工所 (6112、名2)へ6月26日にTOBがかかりました。 公開買付価格は570円。買付代理人はSMBC日興証券、期間は2020年6月29日(月曜日)から2020年8月12…

やさしく解説 株式投資のメリット④ 米国株式のススメ

どんな株を買うべきか? 一つ前提としての考え方を、日本株と米国株の比較を行なってから論じてみたいと思います。 日米の平均株価推移は21世紀に入ってからだけを見ても大きな乖離が生じています。むろん米国の平均株価、特にNASDAQの上昇に対して日経平均…

やさしく解説 株式投資のメリット③ インフレと株価が格差を助長する

申し訳ありませんが、もう少しだけマクロっぽい話をします。 日米の株式市場が急騰しています。 直近2020年6月5日の段階で米NASDAQ指数はとうとう2月19日で付けた高値9838.37ポイントを越えてきました。NYダウはそこまでではないものの、2月12日の高値29568.…

やさしく解説 株式投資のメリット② アフターコロナを見据えて

コロナ禍から株式市場が立ち直りつつあります。いや、なんなら今年2月半ばの下落前水準まで指呼の距離へ、すでに戻っていると言っても良いでしょう。 暴落は市場につきもの。みんながパニくって 「もうやだ!こんな含み損のストレスにはこれ以上耐えられない…

アパレル業界の名門レナウン、逝く

レナウン(3606、東1)が2020年5月15日に民事再生法の申請を行い倒産しました。週末金曜日の20:30とお約束の発表タイミングでした。2020年において初の倒産及びネガティブな上場廃止の発生ですね。倒産事例としては2019年1月17日発生のシベール(2228、JQS…

やさしく解説 上場廃止って何?

日本でも2020年の2月25日(火)の下落より始まったコロナウイルスショックにより景気後退は避けられないものになりそうです。100年に一度あるかないか、と言われたはずの2008年の金融危機(「リーマンショック」は日本だけで通じる呼び方です)と同様の株価…

ジャパンディスプレイ 不適切会計の調査結果を公表

いまさら的な雰囲気でもうどうでもいい感じですが、いちおうJDIの第三者委員会による粉飾決算の調査結果が4月13日に公表されています。数字的には予想どおりですが、ただただ闇の深さが印象的です。自殺した元経理・管理統括部長O氏にほぼ全ての責任を負わせ…