カネヨウ(3209、東2)へ兼松が900円でTOB

カネヨウへ兼松が救済TOB


時価総額基準で上場廃止の猶予期間入りしていたカネヨウが、ほぼ親会社の兼松からTOBをかけてもらうようです。

発表された本日(2019年11月12日)の引け値は716円。

同時に発表された2Q短信から計算すると予想PER11.85倍、PBR0.74倍といったところですからまあ割安っちゃ割安なんですけど下方修正ですから。やはり救済的な意味合いが濃いですね。上場廃止基準は2020年5月末までに月末株価、月中平均株価ともに711円を上回っていればとりあえずクリア出来るのですが、今回業績の見通しが赤字になってしまいそうで、発表して暴落する前に兼松から来ている役員が兼松に相談していたようです。開示を読み込んでみましたが、9月17日に兼松から申し入れ、10月18日にTOBが内々で決まったとの記載があります。まあ役員のほぼ全員が兼松出身者ですからね。

 

TOB価格の900円の根拠もお決まりの試算をテンプレで書いてますが、1株純資産(BPS)も970円程度ですので兼松にとってもしょうがないと言える価格じゃないかと思います。買付金額は873,321,300円ですのでそんなに無理な金額でもありません。

 

っていうか安いな!こんな程度で上場企業って買収出来るんか!って思いませんか?

 

いちおう株主構成も載せておきます。この方々には来年1月に売却代金が支払われます。(兼松を除く)

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有価証券報告書-第87期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)より抜粋

 

買付代理人は大和証券です。期間は明日から2019年12月24日まで。応募株数の全株買付を行いますのでほぼ間違いなく上場廃止になるはずです。

明日は値幅制限いっぱいの866円(+150円)、ストップ高比例配分となるでしょう。もし週中売り注文を出しっぱなしのうっかりさんは注文取消しをお忘れなく。言うまでもないですが、買付手数料込みで(証券会社によっては大和証券へ移管する際に手数料を取る場合もありますのでそのコストも計算した上で)900円以下で買えるなら全部兼松が買い取ってくれるわけですからノーリスクで儲かることになってしまいます。実際そんなに甘くはないでしょうから、気配は明後日11月14日には900円手前で張り付くことになるでしょう。