倉元製作所、ADRはまだ難航中の模様

倉元製作所(5216、JQS)の事業再生ADRですが、なんだか予定通りに進まなくなったようです。

昨年末の2019年12月25日に開示した予定では今週末3月6日に第3回の債権者集会を最終クロージングとして、銀行からの融資について倉元製作所側から提示する再生計画案を飲んでもらう。債権放棄なりDES(デット・エクイティ・スワップ)なりを勝ち取るという腹づもりだったはずです。本日17:00に開示したのは、その最終調整を延期しますという内容でした。

事業再生ADR手続のスケジュール変更及び2019年12月期決算発表の遅延見込みに関するお知らせ  (2020年3月2日)

 

 

理由は端的に述べると、倉元製作所の再生支援を引き受けてくれる「スポンサー候補者と話がついていない」ということです。

ADR申請以前からスポンサーに関する話が、開示の中には匂いすら一切感じなかったので不思議に思っていました。

まあ銀行としては、

「あんまり虫の良いことだけ言わんといてや?ここまであんたらだけで立て直すことできへんかったわけやろ?そら誰かチカラとカネのあるバックが付かんのやったら信じられるわけあらへんがな。そやないと単に貸したカネまけてくれ言われてもワシらだって金融庁やウチの株主さんにしばかれますやんか!あの偉い人らも納得できそうな話やないとウンとは言えまへんで!」

というのがこういう場合の本音でしょう。七十七銀行さん、そこんとこはちゃんと予め指導しておいてくれなかったんでしょうかねえ。

とくに、『スポンサー候補とのスポンサー契約の締結に向けた協議と手続に想定よりも時間を要することとなった』ってくだり、とても心配です。まあ、それくらいちゃんと想定しとけよ、って話ですよ。じゃなければスポンサー候補とやらの存在に疑義を持ってしまいそうです。第2回の債権者集会に出席していた各行が、この延期の開示を見て「あれっ?話が違うんじゃないの?」って思ってなければよいのですが。

たしかに文教堂のADRでも少々の不手際があったものの日程はほぼ順調に進んでいったし、なにより文教堂には日販という大口取引先兼大株主がいたからなんとか面倒見てもらえるという見通しもあったのです。比して倉元製作所には七十七銀行以外にそれらしき大株主は見当たりません。

結論を言うと、ADR成立にはやはりスポンサーが絶対不可欠であり、まだそれは決まっていないということがはっきりしました。一応は元々の第3回債権者集会予定日(3月6日)に続行期日を指定する会に変更し、そこで返済をもうちょっと待ってもらう了承を取りに行くつもりのようですが、否決されたりしませんか?仮に認められてもそれ以上の引き伸ばしも難しいんじゃないですか?

だってスポンサーが必要って1年以上前から分かっていた事でしょう。3月末までに見つからないのなら、もう見つかる見込み無くない?

 

 *2020年3月17日に以下の続報を投稿しました

<倉元製作所に関する過去の記事もご参照ください>

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