コロナショックで暴落時の長期保有とデイトレード戦略

コロナショックは2つの視点でチャンス!優良株の長期保有とETFデイトレが基本戦略!

 

コロナショックの影響で2020年2月25日から日本株は暴落を始めて1ヶ月が経ちました。この前日の日経平均終値は23,386.74円。3月19日の終値は16,552.83円ですので6,833.01円安、この間でほぼ30%の下落となっています。前回の大幅下落の場面である2018年10月2日から2018年12月25日までの約3ヶ月で、底を打つまでの下げ率が20%強でしたが、最近引き合いに出されるようになってきたのは12年前の「リーマンショック」の時のことです。あのときは前年の2007年8月に18,261.98円から下がり始め、2008年10月にリーマン・ブラザーズが破綻したあと、2009年3月に日経平均が7,054.98円の安値をつけるまで低迷を続けました。底を打つまでに約62%、19ヶ月の下落が続いたのです。

 

この下落はどういったメカニズムで発生しているのか?それは一説にフラッシュ・クラッシュが最も大きな原因であると言われています。

21世紀に入り、金融は最もITの進化の恩恵を受けた分野です。数値だけでほぼすべての内容を説明できる業務である金融は、それまでの属人的な業務をどんどん削減してきました。20世紀の終わり頃には花形だった株式や債券の自己売買部門トレーダーは、現在の金融機関では絶滅危惧種となりました。人間の職人的な才能は無価値とされ、運用手法においてもパッシブ運用という指数(日本で言えばTOPIX、アメリカで言えばS&P500)に連動するように自動的に保有銘柄を調整するタイプの資金運用が殆どになってきています。これはAIにも親和性が高い上、人件費などのコストも安上がりであることなどから世界中の大手の運用主体はほぼ全てが導入していると言われています。

そしてその運用責任者はリスク管理をすることが主な業務になっているのです。リスク管理とは早い話が「損切り」です。想定していた範囲内から外れる事象(つまり今回のような事)が起きると自動的に持っている資産を売却します。例えばですが具体的には「保有している株が1日に〇〇%下がったら即売り」というようなルールです。これはいわばシステムが自動的に売却注文を発注・執行する仕組みになっていて、このような運用ルールによって運用されている資金はリーマンショック以降の金融緩和によってマネーが大量供給された結果、市場全体の比率の大半を占めるようになりました。大きな資金を持っている運用担当者は別に「高いから売ろう」とか「安いから買おう」などという考えは全くありません。主体性や相場観を持つこと自体が禁止されているのです。つまり世界中を駆け巡るマネーは主体性を失い無責任になったのです。

結果として、世界全体で運用資金は一斉に右へ倣え!と一方向に偏りながら右往左往し、雪だるま式に売却注文がかさみ変化率(ボラティリティ)が超巨大化しました。こうして発生する売りが売りを誘発して短期間に暴落する現象を「フラッシュ・クラッシュ」と呼びます。いわば人間たちが作り出したロボットが暴走して人間を経済的に攻撃しているウイルスが原因とは言え、これって目に見えないだけでターミネーターの世界観に似てませんか?

 

今回の調整というか暴落がどれだけ、どこまで続くかはまだ予断を許さない状況ですが、投資においてこの局面に全くチャンスはないのかといえば、それは違うと思います。それは次の2点においてむしろ有利な状況が出現しているからです。

1,バーゲンハンター出動

調整時は優良資産を割安で買える機会です。あのウォーレン・バフェット氏は世界で最も財を成したバーゲンハンターです。現在米国株も日本同様に暴落を続けていますが、12年前の金融危機もバフェット氏は株式を買い増し続けたため現在世界一の富豪として君臨しています。バフェット氏の投資スタイルは、「みんながパニックになっている時に1ドルのものを40セントで買う」という特徴があります。買ってすぐに下がることは十分ありえますが、40セントでなくともいずれ1ドルに戻ると思えば大した差ではないはずです。特に今まで高収益のビジネスを行っている企業は元々株価が高い傾向があります。ROE(株主資本利益率)が毎期15%くらいある安定した高収益企業の株が今とてもお安いです。毎期ROE15%というのがどういう意味か考えてみてください。100万円投資したお金を1年後115万円、2年後132万、3年後152万円と複利で増やしてくれた会社という意味ですよ?当然その実績によって評価が高いため株価が高くなっていますが、1ヶ月前より3割引で買えるのならそりゃバーゲンでしょ?

特に高収益企業は景気に影響されにくい商売が多いです。これは日本でもアメリカでも同様です。たしかにコロナ騒動で景気が悪くなるとして客商売のビジネスは困難が予想できます。航空会社はすでに破綻の危機に瀕しているところもありますし、飲食・旅行業などは業績に直撃を食らっている最中でしょう。ですが上場企業はそういった企業のほうが少ないですよ?例えばコロナ騒動でみんながマイクロソフトのwindowsやワード、エクセル使うの止めますか?

もちろん全体の株価下落によってソフトバンクGのような会社は保有株の減損を余儀なくされるケースがありうるので精査は必要ですが、そもそも子会社の携帯ソフトバンクはほとんど株価下がってないんですよねえ、3月配当ですし。

そういえば3月19日に大暴落したJ-REITなんてホテル系は被害甚大かもしれないけど1日でREIT指数全体が約20%下げてるんですよ?大半の銘柄がストップ安ってwwマジすか! 

どんだけ国内の地銀さん方が運用難で買い漁ってきたか、と、どれだけ慌てて前述のリスク管理の投げ売りが出たかのちょうどいい見本じゃないですか。個人的な意見ですが、地銀の株は死んでも買わねえ。損するために生きている存在に見えます。ルールを守る事が生き残ることより大事なのでしょうね。たしかにREITは通常運転でおおよそ2倍レバが掛かっている仕組みですので信用不安がもし起きるなら心配ですが、大手不動産が運用するREIT銘柄はもう少し安くなったら是非ほしいです。

 

2,高ボラティリティはデイトレーダーのボーナスステージ

デイトレーダーはボラが命です。日計りが鉄則で買った株はその日のうちに売却して現金化するのがデイトレの名の所以です。場中の値動きのみがメシのタネですから、これは投資ではなく純然たる投機です。企業業績はほぼ関係ありませんが、こういったマーケットが荒れているときは株価が上がる銘柄を探すのが難しいです。信用取引で下げを追うのが本筋なのでしょうが、信用取引は担保やら証拠金やら維持率やら正直面倒も多いためあまりおすすめできません。とはいえ普通に収益機会は存在します。

それはETFです。インバース型と呼ばれるものは対象の指数自体が下落するとその分上昇するように設計されている上場投信のことです。具体的には日経平均連動型でいうと

「 NEXT FUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信(1571)」

「日経平均ベア上場投信(1580)」

「ダイワ上場投信-日経平均インバース・インデックス(1456)」

は日経平均の下落率とほぼ同比率で値上がりします。また

「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)」

「日経平均ベア2倍上場投信(1360)」

「ダイワ上場投信-日経平均ダブルインバース・インデックス(1366)」

などは日経平均の下落率のほぼ2倍上昇します。同様にTOPIX型や国内外の指数対象、金や原油、VIX指数型もあります。詳しくは東証のホームページに一覧と詳細がありますのでこちらを参照してください。

ここ1ヶ月で一番の大当たりだったのはいわゆる恐怖指数連動の「国際のETF VIX短期先物指数(S&P500対象、1552)」で、2月25日の終値5,800円が3月19日終値で27,080円と約3.7倍の値上がりになっていますが、こういった銘柄が毎日の取引対象でしょう。

チャート画像

国際のETF VIX短期先物指数 ヤフーヤイナンス 3ヶ月チャート

もちろん場中の値動きが問題なので戻りを試す局面もあります。そういった時には定番の

「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(1570)」

「日経平均ブル2倍上場投信(1579)」

「上場インデックスファンド日経レバレッジ指数(1358)」

のような日経平均の上昇率✕2で値上がりするETFでつなぎます。同じ指数連動ETFがあるのでループトレードとして銘柄を変えれば1日の中でも数回同じトレードが可能です。

デイトレードは方向性と勢いがすべてですが、値上がりを全部取りに行くこともご法度です。コスト抜きで1%を取る。これを何回できるかが問題であって、寄付きからインバース型を買って1%利食い別のインバースを買ってまた利食い、ちょっと底を打ってると思えばレバレッジ型を買ってまた利食い、様子を見てVIX型や原油、金に手を出す。ETFだけでも実際1日では一巡できませんし、そもそも1日1%の利食いって仮にキッチリ毎日プラスにできれば4ヶ月(80営業日)で複利2倍ですよ?そこまで出来なくとも普通は上等だと思いませんか?特にここ1ヶ月の上下変動が激しいマーケットで1%ってそこまで難しくはないでしょう。

もちろん言うまでもないですが、「あれ?うまくいかないな」と思ったらすぐに損切りして仕切り直す事もデイトレには必須です。デイトレとは回数をこなす事によって勝率の標準偏差を若干でもプラスに持ち込むことが本質なのです。

 

 

 

いずれにしても、もしコロナウイルスによって世界が滅亡する事になれば株価は二度と戻ることはないでしょう。もしそうであればお金とか投資とか言ってる場合じゃなくなるわけです。必要なのは間違いなくトイレットペーパーではありません。ウイルスを防げるわけでもないトイレ紙を探し回ってなんかやったった気になれる情弱さんはこういう時には株を投げ売ってくれますし、サラリーマン運用者も自分の懐が痛むわけでもないので保有株を損失覚悟で放出してくれていますが、彼らには「自分の考えがない」という共通点があります。ハッキリ言っていわゆるカモネギじゃないですか?つまり彼らの逆を張れば勝算が高いのではということです。

12年前のあのときを知っている人はぜひ思い出してください。あそこで買えなかったこと、本当に後悔してませんか?

私は今も後悔してますよ。少なくともこのまま無責任なロボットの奴隷に成り下がる事だけはご免です。システムの穴を突いて抜け目なく戦う事が何より人間の証しだと思いませんか?