いまさら的な雰囲気でもうどうでもいい感じですが、いちおうJDIの第三者委員会による粉飾決算の調査結果が4月13日に公表されています。数字的には予想どおりですが、ただただ闇の深さが印象的です。自殺した元経理・管理統括部長O氏にほぼ全ての責任を負わせたシナリオですね。
やっぱりというか、当然のようにチャレンジかましてたよ。
こうしてみると、やはりちょうど1年前の債務超過を粉飾して回避しておいたのが効いてますね。2019年3月期で債務超過に陥っていたのを正直に公表していたら2期連続で上場廃止になる可能性があったわけです。いちごとの交渉もどうなってたか分からなかったかもですし、実際今回の増資も本当300%規程ギリギリの希薄化率でした。まあおそらく確信犯的に大義を持って粉飾したのでしょう。そもそも見え見えでいかにも合わせてきました的な数字でしたし？
やはりやったもん勝ちと言うか結果オーライなら何しても良いと言うか。
なお超ビミョーなタイミングで着服容疑の刑事告訴をされていたと同時に、粉飾決算を告発し返した上で自ら亡くなられた元経理統括の幹部社員。この調査報告書では「元経理・管理統括部長」という肩書でA氏とされています。ネット上ではすでに実名と思しき名前が特定されていたようですね。 (O氏 )
日経新聞2017年9月28日 より
元は米シマンテックに買収された日本ベリサインで2012年頃まで財務経理部長をされていたようです。特定するには日経の人事欄を時系列で追っていけば大体わかっちゃうんですね。何で気づかなかったんでしょう。昨年11月27日に都内新宿区のホテルで服毒により逝去されたとのことです。ホントかなあ？
結局大手マスコミはほとんどこの件はシカトに終始しました。まあ、大手企業はマスコミととても仲がいいというか、よっぽどの不祥事でないと社員の実名や勤務先は報道しないんですけどね。結構些細なことでも報道前に広報部へ大手新聞社やテレビ局から「この件で社名か人名どっちか出していいっすか？どうします？」という問い合わせが来るのが普通です。
この件でJDIにとって幸運だったのはO氏が既に亡くなっている事です。６億円近くの横領とともに粉飾の主犯として公表しても反論されることは永久にありません。まさに◯人に口なし。
調査報告書（要約版）より抜粋
日経新聞 2015年6月23日 より
上記の「当時のCFO」吉田氏は現在、フラット３５の不正融資疑惑で若干キナ臭くなっているアルヒ（7198、東1）の代取副社長をされてます。
結論を言うと、JDIは上場してからつい先日までずっと粉飾をしていたわけです。
そして悪いのはアイツだけ、という体でほかの誰も責任を取ってないですね。辞めたら免責なんですか？
へえ？うその決算数字で株を買っちゃった投資家に何か一言ありませんか？そうですか。
でもちょっと待ってください。O氏は2018年12月に懲戒解雇になっているわけですが、そのあと半年分、2019年3月期後半の数字は誰が盛ったんです？まさかクビにしたあともO氏に会計をさせてたんですか？クビになった以降も少なからず盛ってるわけですけど、そこは誰のせいなのよ。
少なくとももうINCJなど政府系の案件はマジで接触したくないです。
何はともあれ、全てはいちご味に染まる新生ジャパンディスプレイはもうテンプレ通りの「今後は気をつけまーす！」的なコメントでお茶を濁してます。やっぱ盛ってた白山工場問題も片付いたし、久しぶりに枕を高くして眠れる春の日々が訪れたんじゃないですか？
でも本業の液晶事業はまだ別に黒字化が見えたわけじゃないんですよ？それからさすがに特設注意銘柄指定は免れますまい。東証さん？お仕事ですよ？
アップル、いちごと来てダメだったら次どうするんすかね？パイン？メロン？
＊JDIに関するこれまでの記事をご参照ください
