やさしく解説 株式投資のメリット④ 米国株式のススメ

どんな株を買うべきか?

一つ前提としての考え方を、日本株と米国株の比較を行なってから論じてみたいと思います。

 

日米の平均株価推移は21世紀に入ってからだけを見ても大きな乖離が生じています。むろん米国の平均株価、特にNASDAQの上昇に対して日経平均の上昇率が全く追いついていない訳ですが、その原因について考察してみましょう。

端的に言って、株主資本利益率(ROE)の差である、と言えます。

株主資本利益率(ROE)とは文字通り、「株主が投じた資金の1年あたりの増え方」や「A社が行っている事業で運用した株主の資金の増える率」です。単純に言えば、今日100万円でA社の株式に投資すると1年後にいくら増えているか、という話です。ここではとりあえず株価ではなく帳簿上の話をしましょう。110万円になっていればROEは10%です。
高ければ高いほどいいかというとそうでもなく、異常値というものがあります。株主資本(自己資本)は返さなくてもいいお金であるため、その比率は高ければ高いほど安定している、倒産しにくいと言えます。逆に倒産寸前の自己資本がすり減ってしまって殆ど残っていない会社が黒字化した場合はムチャクチャ高いROEになります。100万円しか自己資本の残っていない会社が100万円利益を出しただけでROE100%です。かつてシャープのような倒産寸前だった会社がバカみたいな利益率になったのはこういった理由です。倒産寸前の低位株は黒字化するだけですごい数字になるわけですが、ボロ株投資家はそれを狙っているんですね。それは投資というよりほぼ投機になりますが。

 

平均的なROEは各国でこんな数字になっています。

 

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https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/sustainable_kigyo/pdf/001_05_00.pdf 事務局説明資料 2019年11月 経済産業政策局 産業資金課

2018年での統計ですが、日本の9.4%に対して米国は18.4%とほぼ倍の差がついています。この差は表を見て分かる通り、10年以上前から恒常的にあります。ようやく日本もここ5年くらいで向上してきた事がわかります。以前はもっとひどい差がついていた事もわかります。なお2008年の金融危機は米国が発端だったにもかかわらず米国のROEは低下しませんでした。なぜか日本だけが低下したのですね。

注目すべきは、利益は複利で増えていくということです。利益を全部配当で吐き出してしまえば複利にはなりませんが、稼いだ利益を今年もすべて再投資すれば同じ利益率が期待できます。なぜなら利幅の厚い商売は有望なビジネスだからです。高くても売れるから儲かるのであって、無いと困るから高くてもお金を払う人がいるビジネスは有望です。ライバルが少なければなおさらです。そして元のお金と稼いだ資金を全部再投資して同じ利益率だともっと儲かります。

仮に上記の表の通り、米国企業が2007年に元手100万円で商売を始めたとします。
100万円×1.171×1.141×1.145×(中略)×1.184=621万円
つまり2007年の投資は6倍以上に増えていることになるわけです。10年間の平均ROEは約18%です。
実際のところは配当を出したりしているためここまできれいに数字には現れませんが、例えば10年前のNASDAQ総合指数が2000ポイントしてなかったことを考えて下さい。今現在コロナショックで下がっていても5倍は下らないのです。
比べて日本の10年間のROE平均は約6.5%です。何倍になりましたか?
米国企業と比べてどっちの商売が効率が良いですか?

なぜ米国と日本でここまでの差がついたのでしょうか?

それは第一にIT投資へのお金のかけ方がぜんぜん違うからです。

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表の通り、金額も違えば目的も全く違います。日本の企業はいわば「現状維持」するためにコストとしてお金を払っている部分がダントツに多いですが、米国の場合は文字通り「ITによって新しいサービスを創造する」ことにお金をつぎ込んでいるわけです。思えばGAFAを始めとして20世紀にはなかった(正確に言うとアマゾンは1994年創業、アップルは1970年代創業)企業がどんどん生まれるには莫大なIT投資が行われてきたからに他ならないわけです。日本にそんな企業が発生しないのは当たり前です。

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日本の企業はとにかくお金を貯め込むだけ。貯金文化とでも言うのでしょうか、現預金はただ単に置いておくだけの死蔵品ですので社会の発展に何の貢献もしません。害悪ですらあります。価値を拘束するだけのデメリットしか産まないのです。
「7並べ」で8と6を独占したまま居直ってるヤツが雰囲気をぶち壊してるんです。
ヤツが死ぬまでゲームは続くんですよ?

これは日米の差というより、ガラパゴス化した日本特有の現象のようです。それが株価に如実に反映されてしまっています。
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これをご覧になって思うことはありませんか?
「お金だけでも他の国に逃しておこう」って。人間はかんたんに他国へ逃げることは出来ませんが、お金は逃がせます。
実際ここ10年で統計にはなかなか現れませんが、多くの富裕層は外国投資をすでに行っています。それはこの国がどんどん衰退してることをよくわかっているからじゃないでしょうか?

 

いまから100年近く前に、かつて国民の生活水準がとても高く先進国の一員だった国がありました。
アルゼンチンです。
2度の世界大戦にも巻き込まれることなく農産物の輸出で大量の外貨を稼ぎ安定した生活水準を誇っていた国だったのです。
「は?アルゼンチンが先進国?ウソでしょ?財政破綻で終わってる国でしょ。」と思うかもしれません。

でもかつては本当にアルゼンチンは豊かな国だったのです。富裕層が逃げ出す前までは。
あと数十年後に、どこかの国に「は?日本が先進国?斬新なジョークだね。」と言われないと、あなたはどうやって保証出来るのですか?