レッド・プラネット・ジャパンに監査意見不表明

ホテル運営のレッド・プラネット・ジャパン(3350、JQS)が2021年3月15日に「監査意見不表明」を食らっています。これは東証の上場廃止基準に抵触する事象です。

 

今期の会社運営資金のメドなしと会計士の先生がダメ出ししているわけです。

監査法人やまぶき

「意見不表明の根拠
継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は過年度より継続して営業損失、経常損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しており、また、当連結会計年度において、重要な親会社株主に帰属する当期純損失を計上していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しており、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。当該状況に対する対応策は当該注記に記載されているが、現時点において事業の遂行に必要な資金調達の目処が立っておらず、具体的な資金計画が提示されなかった。したがって、当監査法人は経営者が継続企業を前提として連結計算書類を作成することの適切性に関する十分かつ適切な監査証拠を入手することができなかった。」

つまり先生方はこう言っているわけです。

コイツら金ねーぞ!今年もこの会社やってけるとはオレら保証できねーよ。」

たしかに2020年12月期は大赤字 。2021年2月24日まで本来の「45日ルール」をオーバーしてやっと発表した12月締めの決算発表を見ると悲惨なことになっています。

 

たしかに自己資本比率は前期の21.3%から2.7%まで急低下。BPS(一株純資産)は6.95円。営業、投資、財務各キャッシュフローがすべてマイナスとなっており、年末時点での手元資金は2億円ちょっとと、1年前から5分の1まで減り枯渇しかけています。

 

レッド・プラネット側は3月31日の株主総会で「やまぶき監査法人はダメって言ってるけどこのままじゃ会社がなくなっちゃうから承認でいいよね?」という可決を取ってとりあえず凌ぐつもりです。

「なお、2020 年 12 月期有価証券報告書に含まれる連結財務諸表及び財務諸表に関する金融商品取引法第 193 条の 2 第 1 項に基づく監査証明に関しましては、当社が有価証券報告書提出期日までに具体的な資金調達等により事業遂行に必要な資金の確保に目処が立ち、実行可能性の高い資金計画を監査法人やまぶきに提供した場合には、2020 年 12 月期有価証券報告書に含まれる連結財務諸表及び財務諸表について監査意見を表明する旨、監査法人やまぶきより回答を得ております。」

 

3月末までに資金繰りのアテを確保して先生にハンコもらおうという算段です。肝心の資金繰りはどうなってるのさ?って言うかそもそも緊急融資とか受けてないの?それとも受けれないの?

 

確かに1年前に公表された東証の「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた対応方針の概要」で、新型コロナウイルスの影響なら「監査意見不表明」でも今まで通りの適用ですぐに上場廃止とはならない運用になっているようです。ただこの運用規定の詳細がわからないので、事例として同社にはぜひ実験台としてチャレンジしていただきたいものです。

 

株価については言わずもがな。新株予約権の濫発が続いているためちょっと上がれば大量の売りが出るし、売りが出た後は一株純資産(BPS)を計算する分母が自動的に増えるので文字通りどんどん同社株式が薄まっていきます。30年デフレが続いた日本にもこんな局地的ハイパーインフレが起きているんですねえ。ジンバブエやベネズエラの通貨はこんな感じで減価していったのでしょう。

 

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チャート ヤフー!ファイナンスより 

 

同社は1999年に設立され、2004年11月16日にインディーズレーベルを取りまとめる音楽配信会社「ダイキサウンド」として上場しました。その後2011年に「フォンツ・ホールディングス」に社名変更し、2014年に現在の社名へ再度変更しています。事業も経営主体もコロコロ変わる、いわゆる「ハコもの」企業と言ってよいでしょう。

上場はコロナ特例で維持できたとしても、資金繰りで倒産するかしないかは別の問題ですね。