ジャパンディスプレイの1Q決算内容が8月9日に発表されました。
元々は8月7日に発表する予定だったのですが、中国側と足並みが揃っていないため延期になっていたようです。まずもって発表の延期自体がネガティブなんですよね。
で、発表の中身はどうだったかと言うと、ロクなもんじゃないのは分かっちゃいましたが、やはり債務超過と資金繰りの見通しがポイントだと思ってました。そこはどうなのか?
債務超過に転落
4〜6月期で832億円の赤字を計上、772億円の債務超過に転落。
前回の決算発表でギリギリ債務超過を回避していたのですが、今回は「中華資本の払い込みが年末までに800億円あるからなんとかなるよ!」と言いたいようです。でもなんでいつもこうギリギリの数字なんですかね?構造改革費用とか減損とかって結構恣意的な数字に見えちゃうんですよね。
まあ3月期末の債務超過より1Qの債務超過の方が上場廃止の猶予がまる1年引き伸ばせるので、当然そうするだろうとは思います。だからこそ恣意的というかチャレンジ臭がするんですけどね。よくある粉飾の手口に「売上・利益計上の先食い」がありますが、「損失計上の先送り」もダメですよ?
それに「もし」中華資本が本当に払い込みされたとしても来期には復活出来る見込みはどれくらいあるのでしょう?売上は去年より12%減ってるわけで、主要顧客 (米アップル )の発注が減らない、じゃ業績回復にはならないじゃないですか。半年以内に新型iPhoneが爆発的に売れるの?アップルも米中摩擦のあおりを受けてますけど。
資金繰りについて
今回中華側が注文をつけた内容のいくつかで、産業革新機構の追加融資とアップルの発注保証ないしは資金提供が条件になっていたと思われます。
6末で現預金は436億円ほどあるようですが、すでにカツカツの資金繰りだったのは5月から分かっていたわけです。今回産業革新機構が渋々追加融資を200億したとのことですが、これがなかったら中華資本から決定的にお断りされたのみならず、アップルからの受注も危うくなるところだったと思います。
そもそも中華資本だって払い込まれるまではわかんないですよ?中国政府がダメ出しすれば根元から吹っ飛ぶスキームな訳ですし、中国側のなんやかんやの資金出し渋りは今までよく見かけた話なんですから。
なんかもう、政府案件のFOってロクなもんが無い、という印象が蔓延しちゃってます。JDIにしても政府案件でなければとっくにバンザイして然るべき状態です。ゾンビ企業がうろつく市場は健全性がないとして全体に悪影響を及ぼすと思うんですが。
産業革新機構の今までの資金も今回の追い貸しも元はと言えば我々の血税なんですけど、どうやったら損切り出来るのか?どこが損切りラインなのか明確に出来ないものでしょうか?