昨日の適時開示でこんなのが出ていました。
メディシノバ(4875、JQS)2019/06/12 16:40「当社株式の業績基準に係る猶予期間入りに関するお知らせ」
つまり今年度締めの2019年12月末までに営業利益および営業キャッシュフローをプラスにしないと上場廃止になってしまうということです。ここ4年間営業利益も営業キャッシュフローもマイナスだったということですが、岩城先生…大丈夫ですか?
決算短信を2015年12月期まで遡って見てみましたが、すごいです、4年間の売上高「0」。なんなら2014年度にキャッシュフローがちょっとプラスになっただけ、という...。
特殊な会社とはいえ売れたものが何一つないのだから利益うんぬんというレベルじゃないですわ。まあ日本の創薬・バイオベンチャーってほとんどがこんな会社ばっかりなんですけど。
ともかくあと半年以内に何かを売り上げるか、どこかに営業してご入金いただかないと上場廃止になってしまいます。増資などのエクイティファイナンスで入金してもらってもダメです。営業活動CFじゃないですから。
そこでどういうおつもりなのかと気になったので直近の開示を見に行きました。
メディシノバ(4875、JQS)2019/02/14 08:30 「2018年12月期 決算短信〔米国基準〕(連結)」
あれー?この短信の24ページに「上場廃止の可能性」って書いてある。じゃあ今期はどうするの?って初めの方の今期予想を見てみたら営業利益予想がやっぱりマイナスじゃない。売上の見込みもゼロって…。あきらめモードなんですか?営業キャッシュフローだけはなんとかします!ってこと?
別に上場廃止になったからって倒産というわけじゃないですけど、少なくとも金融機関からの借り入れは無理ですよね、だってこんな会社には融資出来ないですよ。回収の見込みってどう作文しても書けませんし。でも上場廃止になったら市場で資金調達できなくなっちゃいますよ。この規定で2017年3月に上場廃止になったT&Cメディカルサイエンス(3832、JQG)は最後にグダグダになってましたけど、岩城先生はあんなことはしない人だと信じてます。
そう、我々はメディシノバの株で利益を得るとか考えるのは心が汚れているのかもしれない。この会社は病気で苦しむ人達を救うために薬を探している崇高な使命を掲げた会社なんだ。メディシノバの株を買うということは「お布施」なのだと思えばいい。だからたとえ1株あたり純資産が131円でも900円台というべらぼうな株価は、篤志家のお布施によって形成されているにちがいない。