持ってる株にTOBがかかったらどうする?①(やさしく解説シリーズ)

TOB発表をキャッチする事が何より大事

あなたが保有している株式に公開買付(TOB)が発表されたらどうしたらよいかちゃんと知ってます?

 

まずもってTOBがかけられている事を把握しないといけませんよね。スマホで株価を見て気がついたら

「うお?ストップ高してる!今すぐ売り注文出さなきゃ!」

などと慌ててはいけません。前日にTOBが発表されて株価が急騰しているのであれば、もっと高く処分できる可能性もあります。発表翌日の板を見て僅かながら売りが出ているのを見かけますが、発表を知らなかったり公開買付価格を確認していない人がいるのでしょう。こういう人はその日の引けには群がるアリさんに美味しく食べられてしまいます。

もし週中注文で売りを出しているのなら、いったん取り消し入力した方がいいでしょう。

「知らなかった」というのは自己責任である投資の世界では罪なのです。ただTOBはまず場中に発表される事は滅多にないので四六時中見張っている必要はないと思います。まず株価急騰の原因をチェックし、TOB云々というのニュースがあればいちど冷静になるべきです。

 

TOBの条件を確認する

発表やその内容はなるべく1次的なソースで確認しましょう。

Twitterでは信頼度の低いものや不完全な情報が多いです。また、あらかじめ売り指値をしておいてから「アカウント乗っ取られてました」というテイで虚偽の情報をツイートする悪いヤツらがいないとは断言できないと思います。正確な情報として公開買付を受けた上場企業は、最初に東証の運営している「適時開示情報閲覧サービス - 開示情報一覧」 (TDnet)いうサイトに必ず開示しなくてはいけない決まりになっています。

ここを見て、銘柄または「公開買付」をキーワードにして検索してみます。

 

ここで最初に確認するのはまず買付価格です。

発表前の株価から何円上で買い取ろうとしているのかや、その値段まで最短何営業日で到達するのか、という事を確認します。

TOBの中にはあらかじめ持ち株をまとめて売りたい大株主がいて、会社側がそれに応じる形で話がすでに着いている言わば出来レース的なTOBがあります。アンダーTOBなどと呼ばれる形態で、直近の株価より低い値段が提示されます。もちろんそんな値段で応じる人はほかにいないでしょうから、すんなりと会社側は大株主から自社株を買い取ることになります。

このような買付者が自己資本を買付する「自社株TOB」は株価に目立って営業することはあまりなく、基本的には関係ないのでスルーしてよいです。

 

次に、公開買付をしようとしている側が、上場廃止を目的としているのかどうか、です。

「買付株数に上限を設けない」とあれば、それは上場廃止を目的としているという意味です。この場合は応募してくる株は全部TOB価格で買い取ってくれるので、市場の株価はその価格よりちょい下まで上がってきます。株価には1日の値幅制限がありますので、数日ストップ高が続いてから膠着します。

また、「上限を○○株」「○○パーセントまで」としている場合、普通は上場が維持されます。

応募した分全部を買い取ってくれないのであれば、当然あぶれる人も出ます。ですから買取比率が低ければ株価はそこまで上がらない事が多いですね。「全株買うぜ!」と言われているのに安いままであれば、その安い売り板を買って応募すればノーリスクで儲かるわけです。

 

②へ続く

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